人気馬に潜むリスク

馬券術講座

人気と実力は必ずしも比例しない

競馬を長く見てこられた方なら、嫌というほど痛感していることではないでしょうか。

皇帝シンボリルドルフの天皇賞(秋)、ナリタブライアンの京都新聞杯、ディープインパクトの有馬記念…負けるはずがないと思われた最強馬たちが、まさかの敗戦を喫したシーンは数多くあります。

しかし、競馬を始めたばかりの人は、競馬新聞に◎がズラリと並んでいたら、それだけで強そう(馬券になりそう)と思ってしまうはず。

実際に人気馬は強いことも多いですが、強ければ馬券になる…というものでもないのです。

また、人気馬を買っていては馬券で勝つのは難しいことも事実で、人気馬に潜むリスクを知れば、それを活かした馬券戦略を立てることもできます。

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人気馬は高確率で馬券になる

競馬では、多くの人が様々な予想法を駆使して馬券を購入します。

  • 血統を見る人
  • データを見る人
  • 調教を見る人
  • パドックを見る人
  • なんとなくで買う人

これらの予想法を寄せ集めた結果、最も強いと思われた馬が一番人気となります。

統計上、一番人気が勝つ確率は、毎年のように約30%ほどに落ち着いています。2着以内なら約50%、3着以内なら約65%と、これらは何年も変わることのない数値です。

これだけ馬券になるのだから、一番人気を買えば儲かりそう…と思いますよね?

確かに、1番人気を買えば馬券は当たりやすいです。しかし、馬券で勝てるかと言われれば、そう簡単にはいきません。

馬券で勝つために重要なのは、的中率ではなく回収率です。

的中率と回収率の関係性
世の中にはよく馬券は当たるのに勝てない人もいます。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?それは、的中率と回収率は相反するものであり、当てにくい人気薄を買うほうが勝ちやすいという複雑な仕組みなっているからです。

儲からない原因は「過剰人気」

人気馬は高い確率で好走します。

つまり、人気馬を買っていれば高確率で馬券も的中するということですが、それでも馬券で儲からない原因の一つに、過剰人気になりやすいということが挙げられます。

では、なぜ人気馬は過剰人気になりやすいのでしょうか?

心理的な要因

過剰人気になる要因は、人の損をしたくないと考える心理的なものが大きいです。

例えば、予想するときにAという馬が3倍くらいだったとします。

個人的には強そうに思えず買わなくても良いかなと思っていても、オッズが低いとそれだけで好走しそうな気がしてきて、一応抑えておこうか…となりがちです。

すると、その人気馬はさらにオッズが下がり、それを見た他の人も外れるのを恐れるあまり、同じようにその馬を買いたくなってしまいます。

これによって、A馬の適正オッズよりも過剰に馬券が売れることになります。

このような心理は、行動経済学でいう「プロスペクト理論」を学ぶとよく理解できるでしょう。

その他の要因

他にも、過剰人気になる要因は様々あります。

例えば、親・兄弟が大活躍している良血馬。ディープインパクト産駒などは、まさに血統で過剰人気になる典型です。

他にも直線一気、怒涛の追込みを見せる馬なども、見た目が派手で強そうに見えるために過剰人気になりやすいです。

実際にはペースが速くて展開がハマっただけだったり、進路が上手く空いて運も味方したなどの要因が重なっての好走であることも多いため、次走も再現できる可能性は低いと言えます。

人気になる馬には、人気になる理由が何かしらあるわけですが、その理由は「本当に強いから」以外の要因が多く絡んでいると言えるでしょう。

本当に強い馬なら過剰人気と言えませんが、それを見抜くのも簡単ではありません。また、人気馬は他の陣営からマークもされやすく、厳しい展開を強いられることも多いのです。

人気薄であれば思い切った騎乗で一発を狙うのもできますが、人気馬で思い切った騎乗をするのは、乗っている側からするとプレッシャーにもなるでしょう。

近年で思い当たるのは桜花賞でのルージュバック・メジャーエンブレムなど、一流のジョッキーが乗ってもそのようなことが起こるのが人気馬の宿命です。

それらの様々な要因が絡み、人気馬は実力以上に評価されやすい、または実力を発揮しづらくなる結果、人気馬を買っても馬券では勝ちにくいということになります。

過小評価を探し出せ

競馬のオッズは、一方が下がれば一方が上がるようになっています。つまり、過剰人気になっている馬がいれば、その分過小評価されている馬が出てくるのです。

ここに全く同じ能力の馬がいます。

  • 片や馬体はピカピカに輝き、顔も超イケメンのフクヤマノマサハル号
  • 片や馬体は汚れていて、顔は馬ヅラ(馬ですが)のデガワノテッチャン号

この2頭が競走するとしてオッズはどうなるでしょう。

同じ能力なら、多くの人はイケメンに賭けそうな気がしませんか?

見た目の問題かどうかは別として、イケメンのオッズは1.1倍となり、馬ヅラ(馬ですが)のオッズは5倍となりました。

見た目や印象などによってイケメンは過剰人気になっていますが、2頭の能力は同じです。つまり、勝つ確率はともに50%ずつ。

それでいて勝ったときのリターンは1.1倍と5倍と、これ以上ない過剰人気と過小評価ですね。

馬券で勝つためには、ここで過剰人気になったイケメンを買うのではなく、不当に人気を落とした馬ヅラを買う必要があるのです。

頑張れデガワノテッチャン号。

予想の軸を見付けよう

では、どうすれば過小評価された馬を探し出せるのか。競馬には様々な予想法があるので、最初に必要なことは、自分に合った予想法を見付けることでしょう。

私の場合、予想の軸は血統になります。

人によっては血統なんてアテにならないと考える人もいますが、私はブラッドスポーツとして生産者が重視している血統が大きな影響力を持っているのは間違いないと考えています。

もちろん、その考えが正しいかどうかは分かりませんので、賛否両論あるのは当然ですが。

何を予想の軸とするかは人それぞれなので、自分が納得する理論を見付けることが大事です。

予想以外にも、馬券の買い方によって回収率は大きく変わります。しかし、本命に選んだ馬の単複回収率が100%前後の水準になることが、競馬で勝ち続けるための第一歩でしょう。

単勝は控除率が20%なので、適当に買っていても約80%ほどの回収率にはなりやすいです。そのため、本命馬の回収率が80%前後だと、相手選びや馬券の買い方でカバーしないと、勝つことは難しいでしょう。

新聞やTVには気を付けろ!

多くの予想法がある中でも、新聞の印やTVに出演して人気馬ばかり推奨する予想家の意見は、あまり参考にしないほうが良いですね。

なぜなら、新聞やTVの予想家は勝つためではなく、当てるための予想をしているからです。

当てるための予想では大きくは負けないものの、平均的に負けていく可能性が高くなります。

新聞やTVに出る予想家は、基本的に回収率よりも的中率を求められるので、必然的に人気馬を選ぶ予想をせざるを得ません。そうなると、過剰人気の馬を多く買うことになり、結果的に馬券では勝てない可能性が高くなります。

某競馬番組に出演する元一流調教師の本命馬が軒並み人気馬であるのも、馬には詳しくても馬券には詳しくない典型と言えるでしょう。

悪質予想会社にも気を付けろ!

競馬のサイトやブログの広告でよく見かける競馬予想会社にも注意が必要です。

今週も万馬券的中!

的中率90%以上!

などの謳い文句で宣伝しているものが多いですが、基本的に毎週万馬券を取ることや、的中率90%を達成するのはほぼ不可能です。

単純に万馬券を毎週当てる、的中率90%以上を達成するだけなら可能ですが、それで馬券収支をプラスにするのは、控除率の関係から不可能なんです。

当てるだけなら、ほとんどの買い目を抑えておけばいいだけですからね。

仮に予想会社の有料情報等を検討するならば、高い回収率を証明しているところにしておきましょう。(そんなとこがあるなら私が使うので教えて下さい)

オッズは一方が上がれば一方は下がるので、そのような誇大広告で集客することは、自分たちの馬券収支を押し下げるだけの悪手です。

本当に毎週のように万馬券を当てられるなら、誰かに有料で教えるよりも、自分で馬券を購入したほうが明らかに効率が良いはずですよね。有料で予想を配信し、万が一外れ続けたらクレームの嵐となるでしょうから。

にもかかわらず有料予想を配信するのは、毎週のように馬券を当て続けて勝つのは不可能だからです。無知な情報弱者からお金を集めるほうが、簡単に儲かるんですね。

少し知識のある方ならそれは分かっているはずなのに、自分のサイトやブログに広告を掲載するなんて…どうかしてるぜッ!

ただし、一部の有料サイトはその限りではありません。

違いを見極めるには、その情報提供者がどういった理由で情報を提供しているかを見てください。

例えば、競馬放送局というサイトで有料予想を配信している亀谷敬正さんは、様々な競馬を楽しむためのツールを開発されており、その開発費・維持費などに多額の費用がかかるため、自分の予想と理論を公開し、その費用を共有してもらうというスタンスです。

また、必ずしも毎週・毎月プラスになると保証しているわけではありませんので、利用するのはそのような考えに賛同できる方のみお願いしますということを言っておられます。

結局、批判するのは短期的に結果が出ずに負けた人だけで、亀谷氏の提供する情報には多くのヘビーユーザーがいることが、信用に値する証明だと思います。

かといって、有料情報を利用し続けるにはそれなりの金額が必要なので、1Rにそれなりの金額が使え、なおかつしばらく馬券が外れ続けても生活に影響がないような人でないと、使い続けるのは難しいだろうというのが実際のところですね。

ちなみに、僕は競馬放送局で一時だけ予想を購入したことがありますが、結果は当たるときもありゃ外れることもあり、収支としては購入費を含めるとマイナスだった気がします。ただ、馬券収支だけならプラスだったと思うので、賭ける金額が多ければプラスになっていたでしょう。

それよりも、上級者がどのような考えで本命馬を選んでいるのかという点を学べることにメリットがあると思いますが、別に競馬放送局の利用を推奨しているわけではないですよ。

まとめ

人気馬は基本的に強いことが多いですが、強い馬が勝つとは限らないのが競馬です。さらに、馬券が外れるのを恐れるあまり、多くの人が人気馬を買うので過剰人気になりがち。

レース中は、様々な不利やアクシデントが起こるのが競馬であり、人気馬はオッズと馬券に絡む確率のバランスが釣り合わないので、馬券では勝ちづらくなります。

そういった人気馬を避け、不当に人気を落としている馬を買い続けることが、馬券で勝つために重要なのです。

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